先日はちょ~~っと足を延ばして鎌倉へ。
オープンしたばかりの素敵な和食レストランへ行ってきました。
 
鎌倉駅の八幡様側出口を右方向へ大通りを歩き
高架下を通り抜けたら
フレッシュネスバーガーがある角を右に入ります。
ほとんど住宅街の中に目的のお店がありました。
 
 
Google mapでナビしながら来たのですが
たぶんここかな~っと確認すると
ぼんぼりに小さく「かまくら 和久」とありました。
「わく」と読みます。
ワクワクして欲しいという意味も込められているのだとか。
 
外庭にポンプ式の井戸がありました。
これって使えるのかしら?
 
和久は古民家をリノベーションした一軒家レストラン。
そこかしこに昔の佇まいが残されていたり
真新しいインテリアがしつらえています。
 
年代ものの桐のタンスは今は食器入れとして使われているそう。
 
天井には見事な組細工が残っています。
 
1階のテーブル席はカジュアルなつくり。
 
その反対側には目隠しを挟んでカウンター席があります。
 
カウンターはゆったり6席。
4メートルの木曽の一本杉を贅沢に使っています。
 
店内はそこかしこに生花が活けてあります。
 お花ってコストがかかるものですから
お店の格がうかがい知れますよね。
 
 
今宵はカウンター席へ・・・
 
 目の前の板場の後ろには
料理人の命とも言える包丁棚や器のコレクションが並んでいます。
見て楽しむ他にもちろん実際に使っています。
 
丁度店主が仕込みをしていました。
見事なサシの葉山牛だったかしら。
残ながらこのお肉は本日のメニューには入っておらず。
またの機会にいただきたいわ。
 
 
この日は《贅沢》季節の食材堪能コース(15,000円)をいただきました。
オープンしたばかりで固定メニューは決めておらず
当面アラカルトはないそうです。
夜のコースは他に6,000円と10,000円があります。
 
店主の金子さんは15歳で料理の道に入り
若干41歳にして26年のキャリアを持つ方。
都内の有名ホテルなどで修業を積み、
和久オープンにあたり料理長に。
ここ鎌倉で骨を埋める覚悟で、住まいも鎌倉に移したそう。
 
 
お食事の始まりは梅酒から。
三々九度の杯みたいですね。
 奥のにょきっとした白い物はお湯をかけて膨らんだおしぼり。
乾燥状態では圧縮プレスされており
これは何かしら?食べ物?って不思議に思っていました。
 
 
最初の1杯はスパークリングワイン。
 
 キリっとしたお味。
 このグラスは泡がグラスの底の中央から絶えず登っていくんです。
泡を見つめるのも風情がありますね。
 
 
最初にいただいたのは『出汁』
 球体に近い不思議な形のお椀に入っていました。
 
 
何故この形なのか?
それは出汁の香りを楽しむ為、
敢えて飲み口の狭い形にこだわったのだそう。
和食の肝であるお出汁です。
中には金箔と梅香煎が入っています。
日本人なら美味しいお出汁には感動しますよね。
きちんと出汁を取っていますよという店主の気合いを感じ取れました。
 
 
次はのどぐろの酒蒸しです。
器も凝っています。お料理ごとに
日本を代表する焼き物が次々と出てきて目を楽しませてくれます。
 
 ふわふわののどぐろ。
上に乗ったワサビがアクセントに。
 ポーション小さ目?と思いましたが
この後出てくる怒涛のお料理群は思った以上にボリュームがあり
序章はこのくらいでちょうど良かったのです。
 
 
あまりお酒は得意ではありませんが、味見程度に。
九谷焼のお猪口でいただいてみます!
 
 いただいたのは山田錦の『五凛』純米大吟醸生酒
スッキリフルーティーな味わい。
 
 蒸して揚げて燻製された 『信玄鶏のチューリップ』
 このまま頬張ります。
燻製のいい香りがふわっと鼻腔を抜けますね。
お肉はほろっと口の中で解けますよ~~
 
 
蒸し物は『生雲丹のせ茶碗蒸し』
 
 きれいな生雲丹が乗っています。
 
 贅沢ですね。
 
しっかり目に作られた茶わん蒸しの中からも雲丹が!!
 生雲丹とはまた違った味になっています!
 
 
鶴の塗りもののお椀には『蟹真丈
 
蟹さんのお出汁が出たお汁が最高です。
お出汁は丹波篠山の赤カブのすり流し仕立て。
とってもお上品です。
 
 次に出されるお料理を店主が切り分けています。
沢庵ではありませんよっ!!!
 これは自家製の「からすみ」でした!
 
店主にお料理が美味しいです~~と言うと
からすみが厚切りになっていくそうです(笑)
 
 これがやっと前菜です。
春の山菜お浸し(貝が苦手なので蛤抜きにしてもらいました)
自家製唐墨・粟麩、水菜の酒盗和え・空豆
フルーツトマトのもずく土佐酢ジュレかけ
銀杏も乗ってます。
 
まるでお雛様のごちそうみたいにきれいな盛り付けです。
お野菜主体のヘルシーな前菜。
からすみに粟麩を合わせると、味がマイルドになりますね。
 
 
 
今度は店主がワサビを擦りはじめました。
もちろん鮫皮で。
 ワサビは擦り方で味が変わるもの。
ワサビの部位でも変わってきます。
ちょうど茎の中央くらいで一番美味しい部分をおろしてもらえました!
 
このワサビが乗った『お刺身』
ホウボウと太刀魚の炙り
お皿は美濃焼で醤油皿と大小でお揃いなんですね。
お刺身はどちらもコリコリとした歯応えでした。
太刀魚の炙りは香ばしい香り。
 そしてワサビが美味しい!!
鼻にツーンとくる刺激がなく、まろやかなんですよ。
お醤油をちょっと付けてワサビだけもいただきました。
このワサビは完食をおススメします!
 
 
目の前の焼き場でお魚が焼かれていました。
 これは甘鯛でした。
 
お次は焼き物で『甘鯛の鱗焼き』
 
普通鯛の鱗は固くて食べられないものですが
揚げて下ごしらえをしている為、食べられるんです。
 鱗が立っているのが分かりますか?
サックサクなんです。
 鱗をこんなにふうにサクサク食べたのは初めて!
 
 
ここまでで、かなりお腹がいっぱいになってきました。
 この後はお口直しのシャーベットからメインとご飯です。
 
 
柚子酒のアルコールを飛ばして作った
『柚子のグラニテ』
 器の黄金色が映えます。
 
 
メインのお肉料理はなんと猪!!
『丹波篠山産 猪の牡丹鍋仕立て』
 この猪肉にはこだわりがあって、生け捕りなのだそう。
狩猟で獲る猪と比べると生け捕りにして絞める方が
美味しさに違いが出るんですってね。
そして、いい餌を食べている地域の猪なので肉も美味しいという。
そんな好条件のお肉を提携して仕入れているのですって。
 猪って言われなければ気が付かない。
むしろ豚肉よりもくさみが無いのでは?
 
細切りにされた丹波篠山のお野菜もとっても美味しい。
 お肉と野菜の旨味も加わったお汁は残すのが勿体ない。
飲み干すしかないでしょう。
 
 
 コースの〆はお食事で『金目鯛とあおさの炊き込みご飯』
 大粒のイクラもぼろんぼろん乗っています。
  
 赤出汁と香の物代わりに利尻昆布の佃煮と高菜のごま油炒めと共に。
ご飯はお焦げも出来ています。
ああなんて贅沢な炊き込みご飯なんでしょう。
あおさの礒の香りが引き立っていました。
 
ご飯は食べ切れない場合、おにぎりとしてお持ち帰り可能ですって。
私は辛抱堪らんと、この場で美味しくいただきました。
 
 
 
 やっとデザートに辿り着きました。
『トリュフ入り特製ガトーショコラ』
 フランボワーズパウダーがかかっており、
マスカルポーネチーズが添えられています。
 ガトーショコラがめちゃくちゃ美味しいのですが!!!
隠し味に玉味噌を使っているのだそう。
このガトーショコラだけ食べに来たいくらい美味しいです。
 
一緒に出された緑茶は丹波篠山産。
京都の玉露と言われても遜色ありません。
 
季節季節の旬の食材を独自のコネクションで仕入れ
和に拘らず素材の味を引き出す調理を心がけているという。
ホテルの調理場で和食以外のヘルプ経験が
今の創作アレンジ料理に役立っているそう。
 
わざわざ目的を持って向かわないと
通りすがりに入るお店ではないですが
今後人気店になりそうですね。
 
ランチ営業もあるので、ランチにも伺いたいです。
 
あと、和久へ来たら話好きな店主とおしゃべりしつつ
ヨイショしてあげるとサービスしていただけるかもよ。
 
 
 お ま け 
 
何気なく置かれていた花瓶も由緒ある焼き物だったり・・・
 
洗面所のボウルも凝っていました。
 
2階にある小さなテラス席
2階には個室もあります。
 
中庭にはガスの囲炉裏
 
囲炉裏の横にテラス席がありました。
 
 鎌倉でちょっと贅沢する時にいいお店ですね。